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こんにちは。制作の斎藤です。
いよいよ年末が近づいてきましたね。
みなさんもご予定がいろいろ埋まってきているのではないでしょうか。
さて、僕は写真が趣味のひとつなのですがその中でも
昔のフィルムのような風合いのものが大好きです。
色味が淡いものやモノクロ写真、ピンぼけしているもの
被写体が切れてしまっているものなど
そういったどこか不確かで曖昧な写真に心惹かれてしまうのです。
ここで突然質問ですが
「まんまるのはっきりした月」と
「少し雲隠れしていて柔らかくかすんで見える月」
どちらが皆さんは惹かれますか?
個人的な好みはあると思いますが
大体の人は少し雲隠れしていてかすんでいる月の方が美しいと感じます。
それはなぜか。
人間の頭は中途半端な線や点、形を頭の中で補って理解しようとします。
雲隠れしてかすれて見える月も見る人が輪郭を補うように創造します。
それによって脳が印象をより強くし、結果美しく感じてしまうということです。
これは「ゲシュタルトの法則」という心理学に基づいていたりします。
目に見えないものや不確かなものの方が創造性が膨らみ
かえってより印象的によく見えたりしませんか?
まだ会ったことのない人をイメージだけで美化してしまうことや
勉強の暗記もイメージで覚えると効率がよかったりしましたよね。
街やテレビでみかける広告もそういった手法で
見ている人たちを無意識に意識させようとするおもしろい表現がいくつもあります。
わかりやすいもので言えばユニクロやアップルのCMなどは映像構成も台詞も音もシンプルで
見ているひとの創造性を自由にしてくれるので印象深いものになっていると思います。
日本は説明型が多く海外はイメージ型のCMが多いと言われています。
やっぱりイメージ型の方が見ていて楽しいですよね。
話しがずれてきてしまいましたが
写真の話しだったので最後にうまく撮るコツをひとつ。
それは撮ろうとしている被写体だけを見るのではなく
その周りの「余白」を気にして撮る。ということです。
写真を撮ろうとするとき、どうしても被写体だけに目がいってしまいがちですが
これを周りの空間や物の配置を考え、余計なものははずしていく。
写真の四隅まで意識を向けて余白(スペース)も
被写体のひとつだと思って構図を考えるといい写真が撮れたりします。
この話しを自分に置き換えて、被写体(自分)だけでなく余白(身の周りの環境)を
ファインダーを覗くようにその関係性を一度整理することで
自分の来年のテーマもはっきり見えてくるかもしれませんね。