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アルティナの伊藤正典です。
和歌山県で臨床心理士をしている古い友人が、昨年末に本を出版したので、
ちょっと紹介させてください。
自分で扱った代表的な臨床事例を紹介した専門書ということになるんでしょうが、
難解な解説はぜんぶ飛ばし、「洗浄強迫の恵子」とか「非行事例エリカ」とか
「下着窃盗の中学2年生祐太」とかのケーススタディだけを読んでいてもカウンセリングの方法や効果をよく理解することができます。
①反抗的な相手の心を開き、
②問題行動につながっている重要な要素をあぶり出し、
③治すために努力する意志を持たせ、
④具体的な方法を導き出して
⑤実行をフォローするプロセスはなかなか臨場感があります。
彼は昨年の夏、まだ原稿を書いている時に、
本のタイトルを「一見不幸を一転幸福に!」にしたいと言っていました。
出版社の意向でそれは実現しませんでしたが、この言葉には臨床家としての彼の精神がよく表わされています。
降りかかってしまった「一見不幸」を、使える限りのリソースを駆使して「幸福」に転じさせたいというのが彼の信念です。
家族や友人、あるいは自分自身が心と行動のバランスを見失ってしまった時は、
臨床心理士に相談してみてください。
いろいろな技や資源を活用し、暗闇から脱出へと導いてくれるでしょう。
大きな病院の診療内科へ行けば臨床心理士に出会うことができます。
機会があれば、紀伊国屋など大型書店の児童心理学とか子ども相談の専門書コーナーで
パラパラと立ち読みしてみてください。短いケースなら2、3分で読めますよ。
 著書名:「子ども相談・資源活用のワザ」(2008年12月 金剛出版)
 著者 :衣斐哲臣(いび てつおみ)
     岐阜県安八郡安八町出身。
     高校球児の頃、地元の新聞に「小さな大投手」と紹介されたのが自慢。
     現在も心理判定係長、相談係長、虐待対応専門員として現場での対応を
     続ける傍ら、大学、学会やシンポジウムでの講演活動を行っている。